Mome Wonderland

Reika Sakuya
レイカ
ほんとにどっきり企画とかじゃないよね?じゃあこれは夢?え、違う?
どうしよう…いつかステージに月のセット組まれたら落ちてきた感覚を
めちゃくちゃリアルに思い出しちゃうよ私…。
そんな日がいつか来ればの話――ああっ!ちがう!ネガティブだめ!絶対!
…ね、折角スポットライトの下よりずうっと明るくて綺麗な世界に来たから
あなたに案内してもらいたいな、なんて…だめ、かな。へへ。
性別 / 身長 / 年齢 / イメージカラー
女 / 158cm / 19歳 / ダリアパープル(#a50082)
好きなもの / 嫌いなもの
ぬいぐるみ集め、スイーツ探索 / おばけ、MCトーク
『現在アイドル人生崖っぷち!』――咲夜麗花の置かれている状況に見出しをつけるとしたらそんな言葉が良く似合う。いや、そもそも“アイドル”人生という表現さえもして良いものなのかも正直曖昧なところだろうか。幼い頃から夢と掲げて憧れ続けたアイドルになりたくて大手事務所のオーディションを受け、紆余曲折を経て合格したのは三年前。しかしながら未だアイドル研究生としての肩書きしか与えられていないのだ。その理由は至ってシンプル。顔の話はさておいて、ダンスや歌が飛び抜けて上手い訳でも、トークが特別上手い訳でもなく、何かきらりと光る才能がある訳でもなく――良く言っても『普通』の女の子すぎるのが彼女にとって大きな壁なのだろう。目立った活躍も出来ず燻り続ける姿を見かねた所属事務所からは先日「今年いっぱいでデビュー出来ないと卒業ね」とのお達しが来てしまい、冒頭に戻る訳である。けれども自分の描いた夢を僅かでもこうして形に出来ているというところには、咲夜のただ真っ直ぐ前だけを見てひたむきに熱く駆ける姿勢が起因している。元より好奇心やチャレンジ精神が強く、それでいて何に対してもちょっとやそっとじゃ諦めないという執着心の塊であるため、今回のようにタイムリミットを決められても簡単に折れるもんかと寧ろ一層のやる気が満ちてきている様子。幼い頃から変わらぬ曇りのない純粋無垢な瞳は、夢を夢で終わらせまいと熱い炎を宿して燃えるのみなのだ。スキル皆無の平凡な個性ながらも芸能界の荒波に潰れぬよう邁進する咲夜を招き入れた異世界は、果たして彼女に一体何をもたらすのだろう。
♪ 咲夜 麗花(さくや れいか)
♪ロールサンプル:B
はあぁ~…。(本日の天気とは正反対にどんよりと深く重く沈んだ溜息は、誰も居ないダンススタジオにて静かに溶ける。全ての負の感情を肺腑の奥底から吐息に変換した女は、今回もまた『選ばれなかった』のだ。自身と同じオーディションを受けたのちに事務所へと入った同期たちが新しいアイドルユニットとして晴れてデビューが決まったが、その中に咲夜麗花の名前が刻まれることはなかった。その事実は幾ら前向きに生きる咲夜でも歯がゆさと焦燥感を抱かせるには十分なもので、使われる予定のないスタジオを確認して飛び込み、歌やダンスの練習をするでもなくただ鏡を背にして座り込むことかれこれ数十分。アイドル研究生としての最後の一年というタイムリミットが刻々と迫ってくる中で、自分は如何様に動けばいいのだろうか。本当にこのままでいいのだろうか。なんてまるで出口のない迷路をさまよい歩くようにぐるぐるぐるぐる。「いっそアイドルなんていない世界があったらこんなに悩むこともなかったのかなぁ…」なんて珍しくマイナスな言葉が唇を割ってしまうくらい非現実的の世界への逃避を望もうとしたとき――ぱちん!と大きな音が響いた。それは自身の両頬をその両の手で戒めた音である。ひりひりとする感覚に自分でも強く叩き過ぎた感は否めないが、振り返って鏡を確認すれば自己採点で70点くらいの笑顔が映っている。よし。)ううん、へこたれてる暇なんかないもん。私、まだまだ頑張れる!ネガティブになんてならないよ!(例えこれが空元気だとしても気持ちから負けている訳にもいかない。気合いを入れ直し、また明日から頑張ろうと腰を上げようとしたそのとき――だれかたすけて、という小さな声が鼓膜を揺らした。)?…え、……だ、誰?(恐る恐る辺りを見回してみれども、勿論問う言葉へ返事など来るはずもなく。けれど一応此処は防音環境が整っているスタジオの中であり、声は確かにこの部屋で聞こえたのだ。気のせいになんて出来やしない。…ということはまさか、だ。その手の話や体験が苦手ということもあり一気に顔面蒼白になるのも無理はなく、)む~~りむりむりむり!私おばけとかだいっっきらいの苦手なんだから…って……う、うわわわわ!えっ、えっ、ちょっ、落ちてるうううう?!なんでえええぇ!!(スタジオのドアノブへ救いを求めるように飛びつき、勢いよくドアを開いて飛び出した先。あれ?スタジオの扉の外って黒い絨毯だったっけ?あれ?――人間は、不意な出来事に適応できるほど良く出来てはいないらしい。状況が飲み込めぬまま廊下があるはずだった暗闇に飲み込まれるように重力は働き、突如襲い来る浮遊感に抗える術も無く。幸いだったのはものの数秒もせぬうちに意識が彼方へ吹っ飛んでくれたことだっただろうか。)……う、……うーん……?ここ、どこ……?(頬を撫でる風の心地よさを感じ、そっと瞼を持ち上げてみれば視界に広がる景色は事務所でもスタジオでも勿論家でもなくて。柔らかな大地をまばゆく照らす星空、そして輝く黄金の月――いつも慣れ親しんだ都会の夜空ではないことくらいしか理解が追いつかず、地に横たわったままぽかんと口を開けて暫くそのまま時が流れた。やがてハッと我に返り上体を起こした際に気付いたのは服装の変化だ。白くてふわふわできらきら。まさにアイドルの衣装と言わんばかりのふんわりしたスカートの裾をちょんと摘まんでみれば、先ほどまで凝り固まっていた筈の表情が自然とゆるり華咲くことになる。だって、自分の”夢の姿”を体現するにはきっとこんな衣装が相応しいのだから。ああ、そうか成程。ここは夢の世界なのね。合点がいけば咲夜はのんびりと自身が纏う衣装を眺めつつ)う~~~ん!可愛い~っ!(夢の中での自分の想像力を絶賛するかのようにかわいいを何度も連呼しながら、うっとりと恍惚に染まる頬へ添える手にも繊細なレースのみで出来た短めのグローブに包まれていたことに気付いた。優しく輝く月明かりに手を翳してみれば、手首辺りにモチーフとして置かれたリボンの真ん中に彩られているアメジストのストーンがきらりと輝きをみせて。そうすれば女は一言幸せそうな声色で独りごちるのだ。まるで絵本の中みたいに素敵な夢ね、と。)