月から落ちてくるなぞ、まことに無様な登場の仕方じゃのう。
ちなみに怪我などはしておらぬな?……、何?
違う。何故わらわが余所者の心配なぞ。
ただ何じゃ、国へ来て早々に傷でも負われてはなにやら大変に不吉なことと――
――ええい、違うと言っておろう。
さように生暖かい目を向けるでない、無礼者! 首を刎ねよ!!
- 性別 / 身長 / 外見年齢 / イメージカラー
- 女 / 140cm / 10歳 / レッド(#e0002a)
- 好きなもの / 嫌いなもの
- 芸術、ナイトメアの夜伽話 / 退屈、孤独
夜明けから黄昏まで我が侭放題、高慢ちきの女統治者。少しでも思い通りに運ばぬ事柄があれば「首を刎ねよ!」と、さながら口癖か呪文が如く声高に命ずる癇癪持ち。その在り様は名を同じくする鏡の国の女王より、不思議の国に君臨するハートの女王に近しくあろう。しかしながら、実際に対峙してみれば仁王立ちの身体は華奢で小さい。物騒な指令を飛ばす声は、古めかしい口調に反して幼いソプラノ。鮮やかな赤を基調としたミニドレスを纏い、磨き上げられた床を歩むヒールの靴音とて好奇心を隠しきれない軽快さ――ファンタスマゴリアを統べる、赤の女王。その仰々しい肩書きを負う女の実態は残虐非道なる年嵩君主でもなければ、チェス盤を闊歩する駒のクイーンでもない。ただただ気紛れで主張が強いばかりの、年端もゆかぬ少女である。平穏な日々に退屈を覚えてはしばしば機嫌を損ねるものの、快い音楽や芝居には瞳を輝かせ、甘いお菓子を前にすれば分かり易く破顔する。また物騒な打ち首の指令は王国の日常茶飯事であれど、それが実際に遂行された、即ち住民の首が飛んだことは一度たりともなかった。毎回偶然が重なって有耶無耶になっているのみか、或いは単に寂しがりの構われたがり屋なのか。真実は今日も、幼き高笑いの向こう側である。