もしかして此処なら、ともだち百人……とまではいかなくても
ひとりくらい、ワンチャンあるのでは…? あるのでは…!?
!!! ぅ゛あ゛っっ、………ぁの、いえ、……
ななな、な っん、でもありま、……せ ……ほ、本当に…………。
- 性別 / 身長 / 年齢 / イメージカラー
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女 / 157cm / 16歳 / a lone wolf(#788286)
- 好きなもの / 嫌いなもの
- 両親、飼い犬 / ぼっち、自分
クラスメイトに言わせれば「大賀美さんってクールで一匹狼って感じだよね」なんだそうだ。今世紀最大の勘違いである。実際は口下手で人見知りで緊張屋、ついでにマイナス思考の根暗。感情の波はもしかしたら人並み以上にあり内面ではあれこれと言葉や気持ちが溢れるくせに、肝心な場面では口も表情筋も固まってしまい他者からすれば無口な人ぎらい。しかもそんな雰囲気が似合ってしまう涼やかな顔立ちであるのも運が悪かった。いっそ周囲の勘違いを受け入れて開き直れたならよかったのに、寂しがりで一匹狼の素質ゼロなのだから世の中なかなか難しいもので。ちなみに感情が臨界点を突破するとテンパって立板に水の如く喋りまくるが、ろくな思考を介していないのでこれもまた事故のもと。娘に甘い両親から言わせれば「奈瑠ちゃんはちょーっと不器用が過ぎるだけよね」で、「そのうち奈瑠の良いところを分かってくれる友達ができるさ」だそうだが、あいにく"そのうち"はまだ訪れず友達らしい友達は出来たことがない。両親や飼い犬ティティーの前では普通に喋れるし笑顔もみせられるのに、いざ同級生を前にすると顔が引きつって「ともだちになって」が言えない。そんな自分がどうしようもなく情けなくて、いやになる。
♪ 大賀美 奈瑠(おおがみ なる)
♪ロールサンプル:B
(それはとある放課後のこと。部活に入っておらず、友人との約束などという素敵な予定があるはずもない大賀美が黙々と帰り支度をしていると、近くで女子グループがカラオケに行こうと盛り上がっていた。──いいな。カラオケがではなくて、あんなふうにいっしょに寄り道をするともだちが居ることが。そんな羨望の想いで知らず知らず彼女たちをじっと見つめてしまっていたらしい。それに気づいた彼女たちは顔を見合わせてから、なんと「…よかったら大賀美さんもカラオケ行かない?」と声をかけてくれたのだ。──女神かと思った。天使かもしれない、いやもういっそ悪魔だってかまわない。『いいの?嬉しい!誘ってくれてありがとう!』頭の中の理想の自分は笑顔でそう応えられたのに、現実は「あ゛っ、……」とすごむように引っくり返った声と固く強張った顔を見せつけただけで。決して彼女たちを怖がらせようとした訳でなく、ましてやお誘いが気に喰わなかった訳でもなく、ただただ動揺と緊張と高揚でフリーズしていただけなのだけれど、そんなことが他者に伝わる筈もない。ビクッと肩を震わせた彼女たちが「あっいいの、無理に誘ってごめんね!それじゃ!」とそそくさと離れていき、「ほらーやっぱりやめといたほうがよかったよ」「だねー」と話す後ろ姿を大賀美は強張ったままの顔で呆然と見送るしか出来なくて。襲いくる後悔と自己嫌悪に苛まれ、行きつけのトイレの個室にこもって泣き腫らしていたら、いつしかとっぷり日も暮れていた。──そういえば西棟三階の女子トイレに啜り泣く幽霊が出るという噂があるらしいが、十中八九大賀美が犯人である── さておき。煌々と月が照らす帰路をとぼとぼ辿り、この歩道橋を渡りきったら我が家はもうすぐそこだ。涙で滲む心と視界、重い足取りで階段をようやく登りきろうかという頃、何処からか助けを求める悲しげで切実で儚い声が耳に届いた。まるで少女の心模様と重なるような、そんな声が。ズキンと胸が痛んで思わず振り返ったその瞬間、ぐらぁり、世界が大きく傾ぐ。)は、……(階段を踏み外したのだと理解した時にはもう遅かった。一瞬の浮遊感と重力の手招き。──落ちる!反射でキツく目を瞑ったら、あとはまっさかさま。嗚呼わたしここで死んじゃうんだ。さっきの声の人、助けてあげられなくてごめんね。ひゅるると落ちていくのを感じる。パパ・ママ今日まで大切に育ててくれてありがとう、先立つ親不孝をお許しください。ひゅるるる。天国ではともだち百人出来るといいな。ひゅるるるる。ううん、ともだちが出来るのならいっそ地獄だって構わな、ひゅるるるるる──……長くない? 数秒と経たずに地面に叩きつけられる筈なのに、一向にその気配なくこの身体は落ち続けている。怪訝に思ってつい目をあけると、歩道橋の向こうに見えたものよりずっと大きい視界いっぱいの月が。)っ!?(慌てて周囲にも目をやるが見慣れたビルやマンションはなく。それよりなにより、歩道橋よりも遥かに高い場所から落っこちている、進行形で。)え゛っ、え゛ぇぇ…!?(素っ頓狂な悲鳴が月夜に響きわたるも、いったい誰の耳に届いたものか。なんで、どうして、こわい、たすけて、混乱と恐怖が嵩みすぎて程なく糸が切れるようにぷつんと意識を飛ばし。くったりとした少女の身体はそのまま落ちて、落ちて、落ちて──…)
(柔らかくもチクチクとした草の感触に意識を刺激され、目覚めたところは月が照らす広い原っぱだった。そう原っぱだ。歩道橋も行き交う車もマンションも見当たらない。景色だけじゃない、風の匂いや空気のやわらかさまで違う気がした。あんなに高いところから落っこちた筈なのに怪我もない。混乱を極めて猛スピードで回る頭はしかし有用な考えを弾き出しはせず。)どこ、ここ……天国、いや地獄……? ってことは、ともだち、ひゃく、にん…… (朦朧と口走りながら、ぐらぐらぐらぁり、歩道橋から落ちた時と同じように世界が大きく揺らいで…… ばたーん! 頭と心の処理能力がオーバーヒートした少女は早々に二度目の気絶と相成った。)