ねえねえ、お茶に入れる星屑は何粒にする?
……何って星屑だよ、湖に落ちた星屑を砕いたやつ。
遠慮しないで沢山入れてね!きっと気持ちがきらきらしてくるよ!
- 性別 / 身長 / 外見年齢 / イメージカラー
-
男 / 170cm / 17歳 / Rose bonbon(#F9429E)
- 好きなもの / 嫌いなもの
- 星屑入りホットミルク、ピンクのリボン / 命令、大声
星屑を練り込んだ菓子パンが人気のベーカリー「Comet Comet」の二階に住んでいる、陽気でのんびり屋の少年。パンを作っているのは専ら働き者の子ネズミたちで、少年は気が向いた時だけ店番をしている。空いた時間を見つけてはご近所さんたちとチェスを楽しんだり、図書館に籠って日がな一日本に埋もれて過ごしたりと気ままに過ごしている。生まれつきかわいいものには目がなくて、店先に咲いている花々は彼のお気に入り。夜になると仄かに光るところがまた一段と愛らしいのだとか。基本的には温厚で、誰にでも分け隔てなく優しい。ついでに腰も低い。けれど他人に強要されることを強く嫌っているから、赤の女王様は少しだけ苦手。最近は二階の居住スペースに置く家具探しがブームで、気が付けば自身の髪と同じ色をした家具と色とりどりのお菓子でいっぱいになっている。これだけピンクの物に囲まれているのに、本人の服装は白のシャツにネイビーのジャケットと存外かっちりした装い。話す時の大袈裟な身振り手振りによって何枚か皿を割ってからは、辺りを確認するようにしている。結果、皿を割る頻度が二割ほど減った。
どこにでもいる平凡な男子高校生だった。校則通りに制服を着こなし、平均以上の成績をあげるべく熱心に塾へと通い、休日には友人と映画を見たりゲームをしたり。教員からの評判も専ら良好で、友人も決して少なくなかった。ただ両親のうち特に母親は、遊ぶ暇があるなら勉強をしろと金切り声で叫んでは、息子が買った趣味の物を端から捨てるような人だった。父親は子育てに関心の無い人だったが、明け方までヒステリックに喚く母親よりは害が無いから嫌いでは無かった。母のことだって別に嫌いだったわけじゃない。ただ家に帰ると窮屈だっただけ。気安い従兄に誘われて、バーチャルYouTuberを始めたのは高校二年生になった春のこと。編集から台本の用意まで従兄がお膳立てをしてくれて、自分は台本通りにカメラの前で演じるだけ。ただそれだけのことだけれど、自分ではない自分になれる数時間だけは嫌なことを忘れられるから、塾のない日は従兄の家で勉強をすると言って出掛けるのがお決まりになっていた。Vtuber 胡桃コルネ。17歳。好きな物は甘い物とかわいいもの。ピンク色のツインテールと素直なコメントが売りの"彼女"は知る人ぞ知る、程度の知名度の駆け出し電脳アイドルだった。正体がどこからバレたのかは分からない。「胡桃コルネの真実!」と書かれたブログ記事には平凡な少年の顔写真も一緒に載っていて、皆に好奇の目で見られるようになった。自殺を決意したのは、それを知った母親に「気持ちが悪い」と言われた所為。来世ではピンクが似合うひとに生まれ変わりたい。それが最後の願いだった。
♪ 高橋 和真(たかはし かずま)
♪ロールサンプル:A
(星降る夜に落ちた星屑のうち、街外れの湖に落ちたものを輝きが失われる前に掬うと、頬がとろけるほど甘くて美味しいお菓子になる。この店の主人である山羊頭がこっそり教えてくれた秘密が秘密でなくなってから、どれだけの月日が流れたろう。みんなには内緒だよと何度も言い聞かせられたらしいけれど、寝て起きたらそんな約束すべて忘れていたのだから仕様がない。それに、店のパンやジェラートにも星屑が練り込まれていると広まった途端に閑古鳥が鳴いていた店が賑わい出したのだから、寧ろお手柄と言うべきではなかろうか。頬杖ついて夜空を眺めながら、流星の訪れを待つ。店長は暫く旧友の店でパンの焼き方を教えるのだと言って出掛けてから、まだ帰ってきていない。長くなりそうだと言っていたし、向こうへ着いてから便りもあったから然程心配はしていない。否、ひとりで星を仕入れなくてはならない今後を思うと多少は戸惑っているけれど。)店長にもそろそろお手紙書かなきゃなー。おむかいさんにお花もらった話と、新しいカップを買った話と、あとはー……そうそう、こないだ星を取りに行った時の話もしないと。店長、おれがあんなにおっきな星をつかまえたって知ったら、コルネくんすごいっ…………ったたたたあ、(ちょうど国の反対側にいるらしい店主の真似をしようとポーズを決めた瞬間、強かに打った肘が痺れと痛みを同時に訴えている。名状しがたい痛みに身悶えながら、打たなかった方の手で涙に濡れる目尻を拭った。これも手紙に書き残そう。白いフリルと赤いリボンのチェアカバーがかわいい椅子を正面から跨いで座る行儀の悪さは、書かなければ分からないので黙っておく。二階から見下ろす家々からは徐々に明かりが消えていき、国全体が眠りにつこうとしている。店先の花たちは眠りながらに仄かな光を放っていて、地上の星みたいだった。夜風と共に流れてくる子守唄に、男の目蓋も少しずつ重くなる。そんな折。)んっ? んんんっ? なんだあれ。(古ぼけた窓枠から身を乗り出して、まるい月に目を懲らす。月に描かれた模様だろうか。それにしては影が濃い。眠気の残る目を袖口で擦って、もう一度、浮かぶ月を見上げてみれば――月を半分に割くように、黒いシルエットが地面に真っ直ぐ引っ張られていくのが見えた。不思議に溢れる国、ファンタスマゴリアでは、確かにどこからともなく風船が飛んでくることもあるけれど。流れ星でも風船でもない、どことなく人影に似たかたちが頭から離れない。)うーん、うーん、うーん。行くべきかなー。行くべきだよねー。(だってこんなのわくわくせずに居られない。ジャケットのボタンを閉めて、手持ちのロウソクと、念の為に星を掬うための網を持って階段を駆け下りる。夜道だから足音が立たないようこっそりと。そう気を付けていても、パタパタ響く音を後日叱られる羽目になるのだけれど。今はそんなことを気にせずに、月の下へと向かおう。きっと星屑よりきらきらしたものに出会える。そんな予感を抱きながら。)