大丈夫。君は絶対に帰れるよ。約束する。…軽く言うなって?
そりゃ失敬。…けどまあ、帰れなくたって案ずることはないさ。
いざとなったら俺の嫁さんになるって手もあるんだしな。
はは、嫌ならなおさら気張んなきゃ! 何事も諦めねえことが大事だかんね。
- 性別 / 身長 / 外見年齢 / イメージカラー
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男 / 186㎝ / 21歳 / ナイト・グリーン(#45aa31)
- 好きなもの / 嫌いなもの
- 昼寝、クリケット、ファンタスマゴリアの住人 / じっとしていること
たいせつな家具を壊してしまった。ハンカチが高いところへ飛ばされてしまった。そんな時は迷わずエースの名を呼んで欲しい。何処に居たってあなたのもとへ駆けつけるから。――根無し草の如くファンタスマゴリアを彷徨する青年に敢えて肩書を見出すのならおそらくは"大工"兼"便利屋"になるのだろう。人垣に紛れていても目立つ長身。引き締まった筋肉質な体躯から受ける印象に違わず力仕事は大の得意。そして、ざっくばらんとした性格とは反対に手先はたいへん器用なものだから、ワンダーランドの住人にはそれなりに重宝されている。城壁の修理から煙突の掃除まで何でも請け負う青年は、こき使われることに時折文句を零しながらも、誰かの役に立てるのなら満更でもない様子。本質的にお節介なのだ。無遠慮とも形容出来るほどに人懐こく、定住する家を持たぬ代わりに友のねぐらへひょいと潜り込むのも珍しくはない。住人が恐れる赤の女王だって妹分みたいに扱ってしまうので見守る側としては危なっかしいだろう。尤もトランプ兵が束で掛かってきたって逃げおおせられる自信もあるから、まるっきりの考えなしという訳でもないのだろう。美味しいものにありつければ幸せで昼下がりに木陰で微睡むことに至福を得る。ありふれたワンダーランドの住人として前だけを向いて笑って生きている。自由人過ぎて冗談が分かり難いのが玉に瑕。
車に轢かれかけた子どもを身を挺して救ったサッカー選手。"ヒーロー"の印象が付いて回るようになったのは至極当然の成り行きであったのかも知れない。誰かを助く人間となれるよう――父母の願いのままに真っ直ぐに育ったように思う。サッカーが好きで、いつまでも続けたかった。それさえあればよかった。幼き日の夢想を現実とし、将来を嘱望される順風満帆な生活を送りながらも、見ず知らずの子の命と引換えに選手生命を奪われた。そんな悲劇の最中にある若者に英雄像を幻視して、周りの人間は手前勝手に祭り上げてくれたものだ。メディアが書き立てるほど立派な人間じゃあない。助けようと思ったんじゃなくて身体が勝手に動いただけだ。療養している内にすり減ってゆくは心の余裕。衰えてゆく筋肉。恋しいフィールドは星より遠い。賞賛の声より自由に動ける足が欲しかった。苛立ちから家族に当たってしまう瞬間もあって、その度に自己嫌悪に陥った。独り歩きするヒーロー像からはどんどん離れてゆくばかりで惨めだった。「あんな子ども、助けなきゃよかった」 見込みの薄いリハビリ。つい零してしまった本音。それを聞いた恋人からの一声に青年の心は容易く手折られた。――あの時、あの子を救って死ねていたら本物のヒーローになれたのに。そう自嘲した青年の面差しは嘗ての快活なスポーツマンからは程遠い。
♪ 有馬 丞(ありま たすく)
♪ロールサンプル:A
(安寧と平穏のファンタスマゴリア。大きな悲劇は起きずとも、小さなトラブルは日常茶飯事。ゆえに"大工"兼"便利屋"の青年の仕事が絶えることはない。今日だって、そう。真昼から続いていたベッドとのにらみ合いは日が沈むまで続いていた。)……よ~しっ、完成!(その声があがったのは幼子たちが寝静まる頃。毎日の安眠を齎してくれるベッドも子どもたちには遊びの場。どったんばったんの大騒ぎにこれまで辛抱強く耐えてきた寝床も昨日ついに崩れ果てて役目を終えることと相成った。そこで呼び出されたこの男。双子のきょうだいの度重なる妨害にも負けず、ようやくベッドを組み立て終わったのがちょうど今。目の前のまあたらしいベッドに口元を弛ませていれば、今宵ここで眠るふたりの天使のお出ましだ。)はいよ、待たせたな。これで今日もちゃあんと眠れるぜ。(仕事道具を片付けながら、顔を出した子どもたちに笑いかける。きゃらきゃらとした歓声をあげてベッドへ走り寄る子らの姿は微笑ましい。報酬なんて求めたことはない。新木の香りに埋もれながら「いいにおい~」と蕩けた顔をしている様子を見られただけで上々だ。)これからはこいつにも優しくしてやれよ。…って、こら~っ。言ってるそばから跳ねるな~!(新品のベッドへの心配りなんて絶無とばかりに無邪気に飛ぶ片割れ。そちらを捕まえれば、もう片方がドンドンと木を叩く。やめなさいと止めに入って、いつの間にか目的は追いかけっこにすり替わっていた。そんな風に遊んで――否、遊ばれているうちに夜は更けて。結局。元気の有り余る二人組みをまとめて抱えてわあわあと騒いでいたら、ふと、窓の向こうの満月が目に入った。)! ――悪い! ちょっと出てくるっ。……あ~、誰か呼んでおいて! ナイトメアとか!(かわいい子どもたちは部屋に置き去る間際、お願い事をひとつ託しもした。斯くてファンタスマゴリアを往く青年の疾走は駿馬の如く。されども落下してくる"何か"を受け止めることは叶わない。駆けて、駆けて、駆け抜けて。たどり着いた草原には見覚えのないシルエットが月光に照らし出されている。不可視の綴手が導いたプロローグ。)……、…君は……。(僅か乱れた呼吸を落ち着かせて、思考を纏めるための沈黙を敷く。はじめてみた女の子。差し向けられた碧眼に敵意はない。だって、異邦の旅人へ手向ける音は決まっている。)――っ、なあ! 大丈夫だった? …ごめんな、受け止めてあげられなくて……。(膝を付いて紡ぐそれが彼女の耳へ届いているかは分からない。仮に身を引き避けられてしまうのだとしても視線は真っ直ぐに"少女"を捉えている。)……怪我は、してない? 見たところは問題なさそうだけど――いいや、自分が気付いてないだけって可能性もあるもんな。動いちゃ駄目。じっとしてて。……医者を呼んでくるのも時間掛かるし……ちょっとだけ、我慢してくれる?(彼女が何者であったとしても怪我してたら可哀想だ。医師を此処まで呼びつける時間を勘案して、青年が見い出した結論はひとつ。躊躇いなく差し伸べた腕。そうして彼女を大地から持ち上げることは叶うだろうか。願わくば顔色が見えるよう横抱きに。もしも抵抗されてしまうのなら「はいはい暴れないでね~」と幼子にするよう宥めつつ、丸太を担ぐように抱えるのも辞さない。その結果少女から受け得る報復は? 報酬と思うこととしよう。 王子様なんて柄じゃあない。騎士と評すには粗野に過ぎる。"アリス"の傍らに立つ青年はヒーローというより少女にとってはヴィランに近しいやも知れぬけど。ファンタスマゴリアの住人として約束しよう――おとぎ話の結末は何時だってハッピーエンドだって!)