Mome Wonderland


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(はじまりを告げる白一輪)
(噴水のきらめきを背に花の香りを纏って、風に押されるように夜空の下を月の麓に向かった。ぽっかり浮かぶ月から零れた落し物は、どんな声で音を奏でるのだろう。平穏に少し降りかかるスパイスのごとく、新たな香りを期待するかのように足を前へ動かしながら、ふとこんなに一生懸命に駆けるのは久しぶりかもしれないなんて笑みが浮かぶ。それからすこし切れた息を大きく吸えば、ふふっと零れた笑みが夜空に響いて転がった。草を踏む音、風の後押し、揺れた枝が奏でる葉擦れにしじまへ落ちる水の音。過ぎ去った場所に花の香りを残して漸く足を止めたのは、月が零した落とし物を瞳に映した時。草原の先にある湖のほとりにそのすがたかたちを認めれば、まるでそこに咲いた花のようだと鮮やかな色に惹かれる。そのまま息を整える間も待たず、滑らかな草の絨毯をさくさくと鳴らして歩んでゆけば、月光に色素の薄い髪がきらきらと揺れた。)ねえ君――(吐き出す息に混ざった声は、逸る気持ちを抑えきれなかったような響き。何から問うのかを決めかねたまま一歩が先に出たようなものだ。おまけに駆けた後の揺らめきも混ざった第一声だったものだから、続きは息の方が続かなかった。歌うたいが情けのないこと。降ってきた彼女にしてみれば、突然に声をかけられて妙なところで途切れた上に、続きをちょっと待ってと言わんばかりに手のひらで制されれば不安も感じたかもしれず。しかしながら男は次を紡ぐための準備でそこまで気が回っていなかった。序にいえば、次の声を音にすることが叶う前にトランプ兵が足並み揃えてやってきて、あれよあれよと波のようにふたりを攫っていくことになる。連れられるまま謁見の間に場所を移した出会いは、あとは赤の女王の理不尽な我儘と、それを宥めた常世従者の手のひらの上。相も変わらぬ横暴さに、けれど意見したところで覆るわけもなし。驚かない訳ではなかったが動じるでもなくそっと下げた頭。影となった表情は淡い溜息を吐息に混ぜて、そうとは知られぬように言葉を紡ぐ)……仰せつかりました。(ともあれ月から降った彼女の方が事情は呑み込めないままであろうし、とりあえずやり過ごして後から語るが良かろうと。何と言ったってこの場ではどうにもならないのだ。形ばかりは恭しく丁寧な礼は、済んでしまえば早々に崩れてそれから。夜明けを迎えたファンタスマゴリアは、昨夜の出来事なんてなかったかのように麗らか平穏だ。朝を告げる鳥の囀りも、夜露を残した薔薇も、何一つ変わりない。ちょっと違うと言えば、いつもは花園にいる男が、花園ではなく城近くの小さな家の前にいるということ。こんこんこん、と扉のノックは三回きっかり。控えめな音で狂いなく同じテンポで続けた後に扉が開けば、)おはよう。(と少し眠たげな顔がそこには在るだろう。男の時計ではちょうど朝食の頃だけれど、男の朝は少しだけ遅いのでもしかすると最中だったかもしれないけれどどうだろう。印象に残っているのは、夜の中で白い月明りの下に照らされるやわい赤。赤薔薇よりも優しいその色だ。)
エセル 2020/01/26 (Sun) 01:33 No.3
(真っ逆さまの転落は誰かの人生のようだった。ただ遠くなって行く足元の光だけが目にこびりついている。叫んだかもしれない。悲鳴をあげたかもしれないのに、耳に残る音は無かった。流れる走馬灯も無いとはこれ如何に、「助けて」と世良を呼び止めた声の主も有らず、不思議なことに着地の衝撃も無い。気付けばそれまで手にしていた筈の鞄も、服も無くなっていた無い無い尽くしの緑の上で、情報処理の追いついていない女に一体何が出来ただろう。己の手のひらをじっと見つめることくらいか。何も変わったところはない。スキッパーシャツとパンツは、胸元をゴムで多段に縮らせた真っ白いミモレ丈のワンピースに変わっていたけれど、それ以外は別に──否、己の身体ひとつ残して、そのほかの全てが変わってしまったようだった。こんな一面の緑を所謂都会っ子の世良は知らない。まるで月が二つ浮かんでいるような空と湖の景色も、生まれて初めて目にするものだ。立ち上がることも忘れてへたり込む世良の耳にも足音が届いたとき、振り向いたそこには花の香を纏う男の姿があった。薄く開いた唇のあわいから声になりそびれの吐息が溢れて行く。)……あなたが、……わたしを呼んだの?(初対面の人間に送る言葉としては些か飾り気が無く、それは世良自身言葉を理解せぬままに自然と転がり落ちたようなものだ。ところが何か言いかける彼の二の句を待つことは出来なかった。向けられた手のひらが遠ざかる。見知らぬ男たちの手によって見知らぬ男と見知らぬ場所から見知らぬ場所へ連れ去られて行く恐怖と言ったら、何物にも形容し難い。高慢ちきな少女の言葉が一体何だと言う。救いの助言を伸べてくれたらしい黒の麗人は味方か否か。連行された広間にてあれよあれよと進む話、混乱と焦燥に掻き消された憤りは、)──はい。なにか?(充てがわれた家にて一晩を過ごす間にむくむくと膨れ上がっていた。きっちり三度のノックから、きっちり十秒待たせた後。人一人分もない扉の隙間からじとりとした瞳を覗かせて、色素の薄い髪を持つ男のつま先から瞳まで視線を這わす。朝というには些か昼が近く、昼というには早すぎる時間だ。けれど殆ど朝になろうかという時間まで寝付けずにいた世良にとっては早朝のような感覚でもある。着の身着のまま、むくりと起きたきり髪だって解かせていない。そういう、寝起きの不機嫌さにも似た声色だった。)あなた、携帯は持ってる? 公衆電話でもいいの。家族に連絡をしなきゃ、それに職場にも。(この家には連絡をとる手段が無かった。お困りのことがあればいつでも、と言ってくれた少女だって世良にはよく分からない事を並べ立てるだけだった。家に招き入れるでもなく、たった十センチあろうかという隙間から乞うものでは無かったけれど、今この瞬間の世良にはきっと盾が必要だった。)
ジュン 2020/01/26 (Sun) 04:22 No.6
(扉を鳴らしてからきっかり十秒の間をあけて、開くというよりも隙間から覗かれたと言うに正しい有様で初めて見た彼女の瞳は訝しむような、まあ要するに警戒心を纏っていた。挨拶の返事も返らなかったけれど、視線を這わされてたじろぐでもなく好きにさせたまま。くありと少しだけ欠伸を噛み殺すような仕草があれば、その点ばかりはご容赦願いたい。これでもいつもよりも早めに起きて花園を出てきたのだ。)とりあえず昨日の今日だから困ったこともあるかと思ったんだけど……うん、大丈夫?(何と言ったら良いものか。考えあぐねてことんと傾けた首に合わせて視界に移る世界が少し傾く。彼女の顔ばせもまた斜めになって、自分よりも跳ねた髪が揺れるのを見る。)けいたい……こうしゅう、でんわ……?ううん、君の言うものは持っていないけど、家族がいるなら心配だね。連絡……ファンタスマゴリアでは鳥とか手紙とかを使うけれど、君が来たところではそうではないのかな。(彼女がしたいと思うことは理解はしたものの、手段は聞き慣れないものだから腕を組んで考え込むように少し唸る。唸り声は覇気がないままなので本気かと訝しまれれば眉を下げるばかりだけれど、一応これでも男は大真面目である。)君は俺から見て、月から降ってきたんだ。……そう、空に浮かぶ方の月。だから別の場所から来ていて、その場所にあったものはここにはない。俺は長くここにいるけど、それで知らない連絡手段ならきっとそういうことなんだ。(流行りに聡い方ではないけれど、聞いたこともないならそういうこと。普段よりも考えた方だとこれでも自負しているけれど、説明が得意な方でもない。加えて愛嬌があるわけでもないので、扉一枚の壁と距離がある彼女にはこれで分かってもらえるだろうか。あとはそう、なんて言ったらいいのだろう。知らない世界からの来たひとの相手なんてしたこともないから、何が違って何が分からなくて、それから何が不安なのかも手探りだ。とりあえずどうしたらちゃんと顔を見せてもらえるだろうかと、考えていればそこへきゅうう、と。ひどく情けのない鳴き声が。なんのことはない、男の腹の虫が声高に主張しただけである。)……うん。とりあえず……君はご飯は食べたかな?もしまだなら、一緒にどうだろう。食べながら、俺が知ってることとか君が感じたこととかを交換出来たらなって思うんだけど。
エセル 2020/01/26 (Sun) 18:11 No.23
(世良に与えられたのは噴水を取り囲むように建てられた八つの小さな家のうちのひとつ。一歩外に出てしまえばそのうちのどれが自分に宛がわれた家だったか忘れてしまいそう。ブラウンとオフホワイトに統一された内装は至ってシンプルながら、木を基調とした家具の温かみがある。慣れ親しんだ実家と比べれば比べるほどその違いが顕著になった。ひとつに防犯が全くなっていない。鍵の見当たらない玄関扉から顔を覗かせながら、どうしてこうも厄介なことになってしまったのか、後悔したいのにどこを後悔すれば良いのか分からなくて壁にぶち当たる。こうして世良を訪ねに来てくれた彼はきっと悪い人ではない。ただあり得ないことが起こり過ぎた世良には、彼が悪人で無い事は分かっても、味方かどうかまでの判断が及ばなかった。)全然大丈夫じゃない……ドードーとかいう女の子も同じことを言ったけど、本当に携帯をしらないの? 家電も? …………ありえない。(単位にして凡そ十センチほどの隙間から、彼の顔が傾いたのを見た。鳥に手紙だなんて連絡方法は世良にとってみれば大昔の手法だ。訝しむ瞳は隙間からでも彼の目に入っただろう。それでも彼が冗談を言っているようには見えなくて、困ったように左手が額に触れる。昨晩、世良閏は月から降ってきた。そういうことになっている。ならばこの世界に来る前、記憶に残っている足元で小さく小さくなってゆくあの光は、空にぽっかりと浮かぶ月だったのだろう。それまで着ていた服も何もかも無くなって。緑の中にひとりぽつねんと放り出されて、それから──何かを言いかけた彼の口形と差し向けられた掌の形をふと思い出した。)ねえ、何を言おうとしてたの?(脈絡のない問いになってしまったことに気が付いて、「昨日」と付け加えた。この世界の言葉で言えば世良は“いきなり月から降ってきた女”なのだろうけれど、確かにあの時、助けを呼ぶ声を聞いた。右でも左でも下でも上でもなくて、どこからか呼ばれて、それでファンタスマゴリアなんて聞き覚えのない国にやってきたのだ。邪魔者扱いされる謂れは無い筈だと思う。さて、恥じらいなく響いた踏みつぶされた鼠のような声の出どころは彼の腹であったらしい。警戒心を抱いていたことがちゃんちゃら可笑しなことに思えてしまって、かく、と肩がずり落ちた。視線をつま先に落として、一呼吸。観念したように人一人分の扉を開けて、彼を招き入れるとしよう。)おはよう。って言ったよね。じゃあ朝ごはんだ。わたしがいたとこじゃご飯にお味噌汁かトーストに目玉焼き。ここではどんなのが一般的?(そもそも与えられた家であるし、適当にくつろいでいて、なんて家主のような招待をするつもりはない。食材だってあったかどうか、確認していないけれどきっとある。キッチンと思しきスペースにつま先を向けながら、何故だかそんな気がした。)
ジュン 2020/01/26 (Sun) 20:05 No.24
(ファンタスマゴリアという世界しか知らぬ男には、彼女にとってこの場所がどれだけ異質かを完全に理解することは出来なかった。家の扉に鍵がないのは然程珍しくなく、突然の来客にだって驚くことはあっても不思議なことなんて何もない。物騒な事件なんて起きないし、もしも何かあったならそれはもう天災であるか運が悪かったとそんな認識。平穏を逸脱しないことしかここにはないから、そういう意味では女王の気まぐれで首を跳ねられることになってもそれ以上ではない。もっとも、誰かが本当に首を跳ねられたところは見たことがないのだけれど。兎角、彼女が分からないように男も彼女のことが分からない。どんなひとなのか、なにを望んでいるのか、どうして月から降ってきたのか、あの月に返してあげることは出来るのか。なあんにも、探していないものはまだ知らないのだ。)ここにないものは俺には分からないよ。ここを出たことがないんだ。ずっとここにいるからね。(ありえない、という否定に困ったように眉を下げる。知っているものならいくらでも答えてあげられるけれど、知らないものはせいぜい想像することしかできない。彼女にとっては当然のことを知らないのだろうということは分かっても、それ以上の先がないのでどうしたってその瞳を陰らす雲を払ってあげられないし、それが出来ないということは信頼関係も動かせないことになるのだろう。困った。彼女に手を貸してあげたいとは思うものの、同じものを見られなくっちゃ時間ばかりが過ぎていく。かといって彼女の言う携帯を作ったり探したりは……うん。形も何にもわからないけれど、自分には難しそう。うーん、珍しく考えこめば頭から湯気が上がりそうなここちがする。そんなところに問いかけられれば、うん?とまた首を傾げるようにして意図を問う。)何を?……ああ。君はどこから、どうして此処に降ってきたの、って。最初にそう聞きたかったんだ。(加えられた昨日、の単語にああと思い出すように頷いて。ふふと笑うようにして双眸を細める。月から降る彼女は新しい風を纏っているように思えて、自然と惹かれ駆けだした。それを見たのが夜な夜な歌っているからなのか、それとも偶然の賜物なのか、別の理由があるのかは今のところさっぱりだけれど。そうして昨夜のことをと言うならば男からも不思議がひとつ。)君は、呼ばれてここに来たの?(息を整えている時に、見上げてきた彼女が零した言葉を覚えている。“あなたがわたしを呼んだの?”誰かに呼ばれて、彼女は月から落ちてきたのだろうか。答えを待つ間に、別の主張が腹の内から為されたならばそのさきはうやむやになってしまったかもしれない。けれどずり落ちた肩を見るに、緊張や警戒が少しばかりでもほぐれてくれたならばそれで幸い。)うん。俺が口にするもので言うなら、パンやスープが多いよ。トーストはバターたっぷりが好きだな。クロワッサンなら外はカリカリ中はしっとり、干しぶどうやクルミの入ったパンはあたたかいうちが特に美味しい。シチューにひたして食べるのもいいね。……君が作るの?ドードーに言えばきっと用意をしてくれるよ。(食事でも、足りない食材でも――勿論服に関しても。おじゃましますと開いてもらった扉の内側に上がりつつ、すいと視線を巡らせるのはこういう内装なんだなという以外にはない。パン一つにつらつらと言葉を並べながら、付け加えた問いかけだって彼女がキッチンに立つことをどうこうという響きではなく。ただ誘ったのが男のほうなので、ということ以上に深い意味はない。)
エセル 2020/01/27 (Mon) 01:00 No.36
(如何にもこうにも連絡手段が無いようでは困り果てた。せめて明日が土曜日であったならいっときの猶予もあっただろうに、世良の記憶が正しければ、そしてこの世界と時間の間隔が同等ならば苦しくも明日は金曜日。詰みだ。申し訳程度にも社会人として、親として。詰みだった。堪らず吐き出したじめっとした溜息は己の不運に対してであって、目の前の彼に対してではない。笑うようにして細まった瞳を疎ましいとは到底思えなかったし、溜息の後には困ったように眉尻を下げた。)っ、そう。呼ばれたの。こんなこと、信じてもらえないかもしれないけどわたし、──(いつのまにか迷い込んでしまった不思議の国はさながら誰もが知るおとぎ話のようでいて、その実ちっとも同じじゃない。時間がないと慌てふためく白兎の姿を目撃してなどいないし、第一、一人っ子の世良はアリスなんかじゃあなかった。此処に来ることになった経緯を伝えようとして、腹の虫に遮られる。立ち話もなんだろう、と言い含められているようなタイミングだった。観念して扉を開け放てば十センチ分だった彼の姿が露わになる。恐らくは昨晩と変わらぬ出で立ちで、花の香を纏っていた。背後に見える噴水の飛沫がちかちかと光を反射して、あれほど余所者が入り込んだと大騒ぎしていたのが嘘みたいに、如何にも長閑な風景だ。だがその平和を切り取ったかのような風景も、扉一つで遮断される。)パンね、なんかそんな感じはしてた。干しぶどうは嫌いだなあ、わたし……お。バタールだ。(米というよりは小麦が似合う国だ。何かしらあるに違いないという予感の元に足を踏み入れたキッチンには、網かごに入ったバタールと卵、それから瓶詰めの牛乳。コンロに似た調理台の上には御誂え向きにボウルとフライパンのようなものがあった。「朝食くらい自分で作るよ」と言ったって簡単なものだけれど、手を動かしながら彼の動向に視線を向けた。)呼ばれたの。(それから、先程腹の虫に遮られた話の続き。)助けて、って声がした。周りの人は気付いていなかったから、たぶんわたしにだけ聞こえてたんだと思う。ほっとけない気がして、声の主を探したけどみつからなくって、いきなり真っ逆さま。それで……今こうなってる。あなたじゃなかった?(違うみたいだ、と思いつつも念のため。パン切り包丁の切れ味がすこぶる良いことに妙な感動を覚えながら問いかけた。)
ジュン 2020/01/27 (Mon) 06:00 No.38
(溜息はあれども、こんなにじめっとしたものはそう聞かない。ここには次の瞬間、或いは次の日には影響しないようなことばかりだからだ。そう考えると、彼女のいた世界はとても大変そう。ここはワンダーランドではなく、誰かが描いたハッピーエンドの夢の先。不思議なことはたくさんあるかもしれないけれど、おとぎ話のページの外側だ。厚い表紙の外側に広がる世界では、読者を楽しませる必要性だってないので特別な呼び名だって本来ならば不要なのかも。腹の虫が途中で遮ってしまった先は、立ち話で済ませるものじゃないのだと言わんばかり。開いた扉の先でやっとちゃんと彼女の姿が見られれば、夜に見るのとはまた少し違えどもやっぱり薔薇の赤よりも柔らかいと思わず頬が上がった。出で立ちはくたりとしたシャツと上着というやわらかくもゆるっとしたもの。衣擦れと共に花の香を広げて陽のひかりが照らす場所から屋根の下に入れば、それだけでまずしぱしぱと瞬きを繰り返そう。部屋の内装がどうという訳ではなく、ただ光の明暗を調節するための仕草だ。)ライスもない訳じゃないよ。俺があんまり食べないだけ。美味しいのにそれは残念だ。(小鳥や噴水の伴奏が遮られた室内で、とことこと彼女のあとをついてキッチンを覗き込む。簡単な朝食くらいなら事足りそうな食材と、そこにあるものを目にすればちょっと思いついたようにとんとんとその肩を叩いて提案を。)ねえ。折角だから外で食べない?ドードーにもうすこし食材を頼んでブランチの準備にしたら丁度良いと思うんだ。(持ち出せそうなものばかりだから、すこし準備をしてバスケットにいれればちょっとしたピクニックになるだろう。話をしながらお腹もみちて、ファンタスマゴリアの風景も見せられる。結構良い案なのではないかとは我ながら、どうだろうと窺うように青い瞳が彼女を見やる。)……そっか。じゃあ君を呼んだ誰かが、ここにいるんだね。ほっとけないって思ったってことは、君にも何か感じるところがあったということだし……声の主を見つければ、帰り方もわかるかも、だ。(語られる内容がどんなに不思議であっても口を挟むことなく、そのまま事実として受け止めてしまえばしごく捻りのないその先の見通しを口にする。生憎と難しいことをたくさん考えられる頭は持っていないし、芸術的なひらめきも持ち合わせていなかったものだから。)俺は、誰かを呼んだ覚えはないなあ。(最後にそうゆるゆると首を振ってから、「だから一緒に探そうか」と続ける声は頼りになるかと言われれば甚だ疑問ではあるけれど、やわらかく誘いかけるような音だった。)
エセル 2020/01/27 (Mon) 21:40 No.48
(世良が息づくのは描いたハッピーエンドのその先どころか、ハッピーエンドに辿り着くまでもそうそう容易でない世界である。もしかすれば明日の無いところだ。一度噴水の飛沫に向けられた視線は、そのまま回れ右をするように室内へと。昨晩解いた髪は、寝ぐせともパーマとも言い難い緩やかなウェーブを伴って背中に流れる。前髪を掻き上げるようにして後ろに流せば、幾分か視界はクリアになった。はらはらとこぼれてきた分は耳に掛ける。他に住人の無い室内は静かだった。キッチンのすぐ隣にはリビングダイニング。大きな木目の印象的なテーブルには揃いのスツールがきっちり四脚備えてられている。蛍光灯は無いが、窓から陽の光が差して室内は明るい。肩に触れる指先の感触にふと瞬いて、「外で?」と反芻した。一瞬だけ彷徨いかけた視線はけれど彼に向けられ、じっと、その顔を視界の中央に置いたままで青の瞳に頷き返した。)そうだね。ずっと引きこもりぱなしって訳にもいかないし。ファンタスマゴリアのことも少し、知っておきたいかも。(長居するつもりなど無いとはいえ、知っておくに越したことはなさそう。そうと決まれば準備するのはサンドイッチやエッグスラットといったところか。自分の食事を他人様に手伝ってもらうというのは何とも奇妙な心地がするけれど、この世界で特別可笑しなことではないのなら、郷に入っては何とやらだ。呼びかけに一も二も無く応じた少女に瞠目してしまったのはほんの数秒。事を伝えるや否や出来立て状態で揃う食材に比べれば、瞬時に現れる少女など何ということは無かった。)うん……なんだろう、助けなきゃいけない気がしたの。わたしが。変な感じ、だけど。…………それなのに連れられて来てみたらよそ者は首ちょんぱ? クリケット? そんなのやったことないし知らないけどボールがふたつも必要なの? たまったもんじゃないっ。(かんっ。世良の右手に収まっていた卵の殻が調理台に打ち付けられた半分に割れる。とろりとこぼれ出る卵白も卵黄の艶やかさも、世良の知る卵と相違ない。そうして彼と言葉を交わしている内に、釈然としないままピクニックの準備が仕上がった。結局のところ世良が行ったことといえばバタールの輪切りと、エッグスラット用の卵を割り入れたことくらい。あとは全部、気が付いたら出来ていた。手頃なバスケットにあれやこれやと詰め込んで、ピクニックだなんていつぶりだろう。)そっか、あなたじゃないんだ。残念だな。……むこうにね、娘がいるの。だから早く帰りたい。 帰れるよね?(齢ひとつの、まだ碌な言葉も喋れない年の、小さな娘だ。世良の両親も祖母も付いているからきっと困ったことは無いだろうけれど、それでも顔が見たかった。この世界に呼んだ主を見つけ出して、困っているのであれば手助けをして、それで帰れるのなら。巻き込まれただけの彼に聞いたって仕方の無い事を、唇は困ったように紡ぎだした。両手にバスケットを抱えて、返答を待たずに玄関へ歩む。ドアノブに手をかけて振り返った。)ね、まずはどこに連れて行ってくれるの?
ジュン 2020/01/27 (Mon) 23:38 No.51
(反芻するよな問いかけに、そうと頷き瞬く青は湖面のように穏やかでいて空のように深いいろ。頷きと共に同意が得られれば柔らかに波打つように細まって、嬉しそうな表情となった顔ばせは先までの眠たげな様相が嘘のよう。ぱっと目覚めたかのようにして「じゃあ俺も何か手伝わないと」、と口にはしたもののさて戦力になるかはご想像の通り。事に応じた少女が食材と共に進めていくその横で、男が始めたのはサンドイッチの具材となる食材のカットだ。手際が怪しいということはないけれど、そのテンポはゆっくりめにとん、とんと、ハムやトマトが切れてゆく。)それならきっと、君に助けて欲しい誰かがいるんだよ。とはいえ、それは彼女には関係のないことだからね。大丈夫、ほんとうに首を跳ねられたひとは見たことないし。あ、でもそれはここの住人だからかな……その前に君を呼んだ誰かを探してあげなきゃね。(彼女にしてみたら本当にたまったものじゃないということは分かりつつも、つい隣で聞きながらふふっと笑い声が漏れる。率直すぎる言いように、卵の殻を打ち付ける音がとてもいいテンポだった。このままその先が歌えそう、と口遊みそうになるメロディをそのまま歌いださなかった自分を褒めてもいいくらい。そんなことを思いながら言葉を交わすうち、ピクニックの準備は恙なくなされ――男がしたことは結局サンドイッチの具材を少しばかり切ったくらい。いつの間にかいなくなっていた彼女が殆どを仕上げていった様子だった。思いのほかたくさんを詰め込み終えたバスケットは、多分結構ずっしりしているはず。彼女が両手で抱えたそれを、ひょいと片手で持ち上げれば「俺が持つよ」と自分の荷物にしてしまおう。)俺だったら、探す手間がなくて良かったのにね。……そっか。じゃあきっと帰れるよ。待ってる人がいるなら、大丈夫。(きっと帰してあげる、と。一緒に探すことをごく自然に受け入れて伝えた時には、女王から言われたことなんてすっかり頭から抜け落ちていた。一蓮托生の首ちょんぱ、命じられたからじゃなく落ちてきた月へ彼女を持ち上げて送ってあげないと、と。ただ単純にそれだけの響き。ドアノブが開かれれば、差し込む光よりも強い陽が眩く外を照らしている。ああこんな日には――)北のオーロラの森、東の虹を渡っていく丘もいい。あとは、俺が住んでる西の花園かな。お茶会好きな公爵夫人の庭園もいいけれど、それは今度にしよう。それ以外にもたくさん、いろんな場所があるけれど……君はどんな場所がすき?(教えてくれたら、それに合わせて足の向きを変えよう。一番最初に行く場所、案内する順番は彼女の意見に合わせて手を引いていきたい。なんていったって、惹かれた場所に赴くのが最初は大事なのだ。)
エセル 2020/01/28 (Tue) 18:09 No.62
(本当に跳ねられた人はいないという世良を安心させる言葉は、継いで出た此処の住人だからなんて言葉にいとも容易く打ち消されてしまう。)それじゃああなたは助かるかもね。精々わたしの頭でクリケットをたのしんでよ。ただし、負けたら地獄にひきずってやる。(どちらにしたって物騒極まりないのは変わりなく、胡乱気に泳いだ視線が行き場をなくして、冗談で肩を竦めるにとどまった。記憶に残るあの赤、そして黒。横目で視界の淵にちらつくトマトの赤にさえ、なんだか文句のひとつでも垂れてやりたいくらい。たった数時間のうちに色々なことが起こり過ぎて、世良に助けを求めた声でさえ既に朧気だった。早く見つけなければ、と心が急く。同時に、もし見つけられたとして、それでも帰る手段が分からなかったら、を想像して背筋に寒いものが走った。隣から聞こえるちいさな笑い声は幾らか落ち着きを与えてくれるけれど、明日のことが見えないのは変わらない。世良の両手を占めていたバスケットが彼の片手分。持ち主を変えたバスケット、瓶詰めにされたミルクがたぷんと揺れるのを目で追いかけて、それから「ありがとう」と深い青を見上げた。)ほんとそう。まあでも、それじゃあ出来過ぎかな……ね。明日からさ、困ってる人探すの手伝ってよ。わたしひとりで出歩いたらきっと迷子になっちゃう。(出来過ぎなくらいが本当は良かったのだろうけど。開いた扉の向こう側、先ほども見えた噴水が今もまだ透き通るような水を吸い上げては散らしている。うららかな陽気。どうにも似通った造りの家がぐるりと一周。テーマパークのような足元のブロックに、こん、とパンプスの踵が鳴った。ここはまだ人の動きが見えないようだけれど、道一本でも外に出れば賑わっているのかもしれない、そんな雰囲気だ。北から西、東には虹。オーロラに虹を渡るなんてちょっと考えられない景色に睫毛を瞬かせるも、)あなた、花園に住んでるの? ……花のことは詳しくないけど、そこにいきたいな。ダリアとか咲いてる?(身ごろの時期なんかも良くしらないが、好きな花といえばそれくらい。この世界にも同じような花が存在しているのか分からないけれど、咲いていたらいい。ぱたん、と閉ざされた扉からはもう室内は見えない。晴れた空の下、世良が落っこちてきたらしい月はない。どちらの方面でも一歩踏み出して、それからふと立ち止まる。挨拶をしていなかった、って眉尻を下げてごめんと笑いながら。)いつまでもあなたじゃ良くないよね。わたし、……ジュン。世良閏。あなたは?(彼がバスケットを右手で持っているなら左手を、左手で持っているなら右手を、空いた手と握手が出来るように差し出した。)
ジュン 2020/01/29 (Wed) 03:18 No.71
そもそも月から降ってきた人も迷い込んでくる人も、僕が知っている中では君がはじめてだから。もしかするとふたりとも助かるかもしれないし、二人とも首を跳ねられるかもしれないってことだよ。それに……あんまりクリケットは得意じゃないんだ。(胡乱気な視線に肩を竦めたと同時、トマトの形がぺちゃりとひしゃげる。あ、と声を上げながら無残な切れ方をしたスライストマトを見下げて「地獄に引きずられるなら一緒に首ちょんぱのほうがいいのかも?」なんて眉を下げた。ここはファンタスマゴリア、もしかすると首ちょんぱになっても縫い合わせれば元通りかもしれない。だって女王にクリケットのボールにされているのはハリネズミばかりではなく、たまに喋る動物の頭な時だってあったから。首が取れるのも個性になるのかもしれない、なんて平穏に慣れた考えはひどく呑気だった。片手に掛かる重さはそれなりにずっしりしているけれど、息が切れるほどの重さではない。ピクニックの後にはきっと半分以下になっているだろうとバスケットを揺らして、「どういたしまして」と青の双眸を細める。)出来過ぎた物語には冒険が足りなくなるから、ちょっとだけスパイスを加えよう……って?勿論、いいよ。君の隣はいい風が吹きそうで、きっと知らないメロディに出会える気がする。(浮かぶ月もそんなことを考えたのだろうか。彼女にとっては出来過ぎてありふれたストーリーの方が良かったのだろうけれど、男としては今に感謝だ。だってありふれた噴水の広場に散る水飛沫一つだって、なんだかちょっとちがう色に思える。ちょっと難しいメロディもきっと楽しくなりそうな、ブロックを鳴らす靴音にふんわり笑顔が照らされる。)そう、西の花園が俺の住処なんだ。あ、ちゃんと屋根のある家もそこにあるよ。ダリアか……今日はきっとピオニー咲きが綺麗かな。何色がすき?(見ごろの時期も開花のタイミングも、ファンタスマゴリアでは花たちの気分次第。明日もまた綺麗に咲いてねと言えば花を開いてくれるし、ちょっとお手入れが足りなければ拗ねたように蕾のままのこともある。気まぐれなようでいて手をかければしっかりと応えてくれる表情豊かな彩は、薔薇でもダリアでも変わらない。扉が閉まる音を背で聞きながら、あっちだよと指差して晴れた空の下を進もうとして――数歩彼女よりも先に行ったところで立ち止まり、振り返る。ことんと首を傾けて、問う声へその理由へと至れば顔ばせが嬉しそうに綻んだ。まるで花の開花のように。)俺はエセル。……うん。ジュンの味方のつもりでいるよ。(つもり、と言うのは彼女にとってどう思われているか分からないからだけれど、これでも一応彼女の味方のつもり。本当は男の方から名乗るべきだったのだろうけれど、それより先に彼女が名前を教えてくれたことが、先ほどの十センチの扉の隙間から大分近づけたようで嬉しかった。差し出された手を重ねて、悪手のように握ったのは一瞬だけ。次にはくいっと引くようにして隣に呼べば、ちょっとちぐはぐなまま肩を並べて手を離し、反対の手をとって歩き始めよう。)じゃあ今日は、西の花園までの道をジュンには覚えてもらおう。そうしたら俺を呼びに来れるから、何処にでもいけるでしょう?(歌うように告げる声は、そのまま鼻歌でも歌いだしそうなほど軽やかだった。)
エセル 2020/01/29 (Wed) 21:40 No.78
(ふうん、と打った相槌は語尾が上がっていたか。スポーツを嗜んでいない世良にとってみれば、球技なんて野球かサッカーくらいしかピンとこないし、それよりも隣でべちゃりと潰れたトマトの方がよっぽど身近だった。サンドイッチに挟むには些かかわいそうなスライストマトに指を伸ばして、特に制止が掛からなければ「いただき」と自らの口に放り込もうとした。口腔内に広がるのは酸味かそれとも甘味か、どちらにせよ世良の良く知る味と変わりはなかっただろう。──変なところだとは思うけれど、それでも空は青いし水は半透明。物騒なことを言われたという事実を隅に追いやれば、言葉も通じるしなんら不便のない場所だ。空いた掌にふれる風も心地よいもの。)メロディ……、詩人みたいなこと言うんだね。歌でも歌うの?(メロディに出会えるなんて、そんな風に言うのは歌手とか作曲者とかくらいしか思いつかなくて。何処で受けたって風は風だと思えども、きっと彼が言っているのはそういうことじゃない。寝ぐせまではついていないだろうけれど、ざっくりと手櫛で整えただけの髪を指で梳かす。くしゃり、と耳元で音がする。これから背後で小さくなってゆくのは、テレビやネットのない家だった。巷で流行りの音楽は、しばらくお預けになる。)ピオニー咲き……好きだって言っても全然しらないの、どういうのだろ。色はね、赤いのが好きだな。ちょっと黒っぽいくらいの。(ダリアと一言で言っても品種によって咲き方が違う──というのは、世良の知識には無い。けれど今日咲いているのがピオニー咲であれば、目にして一番の感想は「わたしが知ってるダリアと一緒」になるだろう。指差された方向へ視線を揺り動かして、それから彼へと戻る。)エセル……さん。うん。よろしくお願いします。(聞き馴染みのない名前の響きも、この世界に在ってはこれが当たり前なのだろう。今更ながら年上らしい出で立ちに気付いては、二拍子置いて敬称を付けたした。重ねられた手の温度はきっと生身の人間のそれ。皮膚の感触もそう。それだけで夢で無いことが確かなのだと解る。握手を交わして、それで放されたかと思った掌は歩みを進めたあとで再度触れ合う。二日目と言ったって殆ど初対面の相手と手をつなぐだなんて、なんとも奇妙な感覚だった。繋いだ手元を気にして見たのは暫くの間だけ。噴水の音が聞こえなくなるころには、こういうものだということにした。)ほんとだ、それがいいね。一度で覚えられるかな。ここからは遠い? さっき言ってた、オーロラの森も気になるかも。(こんな時に、かろやかな声が耳朶をうつ。楽しんでいる場合でないのは分かっているけれど、先ずはファンタスマゴリアのことを知るのも大事かと思って。)
ジュン 2020/01/30 (Thu) 23:00 No.94
(無残な切れ方をしたトマトが細い指に攫われて、ぱくりと食べられたならまな板の上には綺麗に切れた輪切りしか残らない。程よい甘味と酸味が口の中に広がったなら、良く熟したトマトであることが知れただろう。サンドイッチにするには最適。でも人が食べているのを見たら自分も食べたくなってしまうものだから、きれいな輪切りを摘まんで自分もぱくり。行儀の悪さはお互い様だ。「おいしい」と口の中に広がる味に満足げに落としたならば、残りのトマトを切ってしまおう。切り終わった頃には、他の準備はきっとほとんど出来ていた。)詩人なら俺よりももっと囀るのが上手な人がいるよ。あの詩を歌うのは楽しそうだといつも思ってるけど。……うん、歌を歌うのは好きだよ。つい口遊んで、よく夜に歌ってる。(自分で音楽や詩を作っている、という感覚はないけれど、思い浮かぶフレーズをつい口にしていることは少なくない。夜になると、昼に浮かんで繰り返した所為なのかそれがはっきりしてくるから、次の日まで我慢が出来なくて歌う、そんな調子だ。そうして過ごすのが好きで、だから男の住む花園からはメロディーが耐えない。旋律が止んでいる時と言えば、男が出掛けているか眠っている時くらいなもの。)花びらが重なってる咲き方なんだけど、見た方が早いかもね。もしかしたら見たことがあるかも。他にも咲き方が色々あるから、見たことがあるのを探してみるのもいいね。赤かあ。気に入る色があれば良いね。(赤いダリアが好き。覚えるように脳裏で反芻して、今日の庭園を思い出す。気に入るものがあればいいなと笑みを描いたその先で、もしも彼女が笑ってくれたなら。きっと最初の贈り物がその花のになるだろう。)呼び捨てで良いよ。その方が気兼ねもないでしょう?(あまりさん付けに慣れている訳でもないし、序列があるわけでもなければ気軽に呼び捨てて欲しいと、そんな風に。重ねた手を揺らしながら行く道はのどかで、時折分かれ道がいくつかある以外は迷いようもなかったかもしれない。道が分かれる度に歩き方のコツを伝えもしただろうか。花園につくまではきっと会話が絶えず続いていたに違いなく、揺れる手のひらも彼女が離さなければそのまま。)近くはないけど遠くもない、ちょっと分かれ道がいくつかあるくらいかな。 じゃあ花園でゆっくりブランチをとったら、その後はオーロラの森に行こうか。きっと気に入る。(まずは気になるところから。移動の間にもきっと目に映るもので気を引くものだってあるだろう。最初の一日はファンタスマゴリアを知ってもらうことに使うとして、まずは花園でバスケットの中身を広げるところから。それから彼女の明るい色の髪に、白いダリアを一輪飾ろう。好きだと言われた色ではないけれど、真っ白な花びらが映えるとは月夜からずっと思っていたものだから、はじまりのしるしに。)
エセル 2020/02/01 (Sat) 17:28 No.115
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