Mome Wonderland

澄んだあの空は疾うに色褪せ 木霊は消え 思い出は滅び
秋のしもに 七月はあえなく去ったけれど――
わたしの目には今も大空のもと アリスが生き生きと動いてやまない
醒めては見えぬ まぼろしのその面影

――Lewis Carroll
“Through the Looking-Glass, and What Alice Found There”
 ナイトメアはいつの間にか立ち去っており、僕はひとり残された。
 ひとり、一人、独り。自ら投げ出してしまった現実と、改めて向き合いながら。記憶で滅多打ちにされるというのは、成る程堪えるものだった。
 だけど、あの時。死を望み、ナイトメアの誘いに肯いたあの暗澹たる夜と、ただひとつだけ違うことがある。苦しい記憶の合間を縫うようにして、ひとりの姿が想起されること。曇りなき笑顔、嘘のない涙、手向けてくれた言葉たち――誰か、なんて考えるべくもない。

 そういえばいつか、鏡の森に迷い込んだ彼女のもとへ駆け付けたこともあった。
 見知らぬ世界でひとり、自身の記憶に追い詰められるのは辛いだろう……なんて。そこまで考えが及んでいたのか、勝手に身体が動いただけだったのか、ともかく急ぎに急いで向かったっけ。
 未練がましく奇跡を待ち侘びるかのように、もう一度だけ、君の名前を呼んでみる。

「――っ、見つけた!」

 一瞬幻聴かと思ったそれは、紛れもなく耳に、瞳に存在を知らしめてくる。
 名を呼ぶ声、僕に向かって駆ける姿。それは逢いたかったひとのものと相違なくて。あの時と立場が逆転したようだ。なんて、状況にそぐわず笑ってしまった。

 ああ、……ああ、そうだ。……確かに、そうだった。
 僕はもう、ひとりじゃなかった。

More

 4thで真実を知らしめられた直後。ナイトメアは、記憶を取り戻した青年を置いて何処かへ立ち去りました。一度逃げ出してしまったご自身の記憶と、改めて向き合わざるを得なくなった今。あなたの心を支配するのはどんな思いでしょうか。素直な心で求める世界に、浮かぶ姿は誰のものでしょうか。
 “アリス”は独りになった青年を迎えに来るか、自分を探していた青年の姿を見つけるか。何らかの形で彼と合流してください。

 そして、これからのお話をしてください。
 ナイトメアには「出ていくべき余所者」呼ばわりされましたが、お二方の――主に青年のでしょうか、覚悟が決まるまで思う存分話し合って頂いて結構です。
 なお“アリス”が読んだ本の通り、月が消えれば二人とも、二度と現実世界には帰れなくなります。

 目覚める(夢の世界から抜け出す)前に何か確認しておきたいことがあれば、お名前の後ろに「*」を付けてください。NPC(赤の女王・ナイトメア・ドードー)の誰かが横レスで疑問に答えてくれる……と同時に余計なことを言うかもしれませんが、あなた方はもう決して、独りではありません。
 おとぎ話にはなり得ない、本当の幸せの在処を知っているはずです。

 どうか、良き夜の終わりになりますように。

【開始】男性 【場所】ファンタスマゴリア内どこでも
【時間】夜(4th直後) 【期間】02/19~02/23(移行期間:02/24~02/28)